今回はニューヨークライフバランス研究所の松村亜里さんが最近出版された「世界に通用する子どもの育て方」についての書評です。
松村さんは私が所属しているウェルビーイング心理教育アカデミーの代表理事をさており、研修も何度か受講する機会がありました。著者を個人的に知っているというのは、なんだかうれしい気持ちです。
知っている方なので評価にはバイアスがかかっているかもしれませんが、お世辞抜きでこの本はとても良かったです。
この本が多くの方にお勧めできるその一番大きな理由は、親の視点、つまりは読者の視点、そして包括的な視点で書かれていることではないでしょうか。
もう少し説明しますね。本にはいろんな種類があると思いますが、ある種類は(心理学系の本はこちらの種類が多いかもしれませんが)著者が研究したこと特定のトピックを中心に書かれています。また特定のトピックについて詳しく知りたい場合は、そのような種類の本も勉強になると思います。
そこで親業について考えてみると、親業や子育ては親のいろんな経験や、幅広い知識を駆使しながら行うことではないでしょうか。そしてこの本は、子どもを幸せに育てるための最新の科学的な手法を片っ端集めて、かつ分かりやすいように解説がされている本です。そしてそれだけではなくて、松宮さん自身の経験や、考えも随所に散らば目られており、オリジナル性もあります。
実際にこの本を読むと、いろんな理論や研究の引用が満載で、読むほうはその情報量に圧倒されるかもしれません。でも情報量が多いことは親にっては非常に助けになります。というのは親として必要な情報は、その家庭の状況によって大きく違うからです。そしてこの本はどんな家庭状況の親が読んでも必ず応用できる理論を見つけることができます。私自身に当てはめるても、今の父親として子どもに接している自分に直接関係している理論もたくさんありました。
あとがきに著者の印象的な言葉が書いてありました。
「私はこの本に役立つことを書いたつもりですが、正しいことを書いたわけではありません。正解はどこか一つあるものでなく、それぞれの中にあるものです」(P234)
本当にその通りだと思いました。ちなみに自分にとっては6章の子どもの自律性を高めるということについては、わが家族で特に実践してみたい部分です。いろいろと実践する中で、自分なりの正解を見出していくんだと思います。
ということでこの本がおすすめな理由について書いてみました。 ちなみに店頭やアマゾンでも好調のようですね。親や子供がより幸せになる子育てをすることは、多くの方にとっての貴重な財産になると私自身固く信じています。ぜひこの本を手に取って読んで、いろいろと実践してみてくださいね。