新年度が始まり、いろいろな組織で人事変更が行われている時期ですね。私の住まいの自治会では、年度毎に役員や班長が変わる制度になっています。ですのでこの時期には自治会の人事がごそっと全部変わります。先日開かれた年次の自治会総会の中で、新しい役員の信任もあり、私が今年度の自治会長をさせていただくことになりました。自治会の役員は初めてなので当然不安もありますが、自分としては新しい取り組みなのでワクワクしております。
ということで本年度は自治会に関することもいろいろ書いてみたいと思います。まずはそもそも自治会の目的ですが、これは以前のブログでも書きましたが、
共助を推進する組織であること。自分としては「共助により安心・安全を強めること」を自治会の目的と理解しています。(自治会の目的についての記事はこちら)
今回はそれでは、なぜそんなに共助が重要なのか、という点について考えてみました。
要点として以下の3つにまとめてみました。
- 困った時に一番助けになるのは共助であること。
- 共助により人間関係が豊かになりより幸せになること。
- 幸せになるだけでなく、より健康にもなること。
それでは、以下のその理由をウェルビーイング心理教育の要素や自分の体験などを簡単に含めながら説明してみます。
●困った時に一番助けになるのは共助
これは災害時のことをイメージすると分かりやすいと思います。災害時に一番助けになるのは共助(お互いの助け合い)です。阪神淡路大震災の時に、建物の倒壊から救出された割合の8割は近所の住民等によるものだっという共助を語る上で有名な数字があります。昨年様々な災害現場に行きましたが、共助の仕組みがよくあるコミュニティーは、やはり災害対応も比較的迅速に進んでいましたように思います。呉市には何度か足を運びましたが、自治会とボランティア団体が連携して救援活動を行っている地域もありました。公助(行政による支援)が届きにくく、また時間がかかる支援作業がその地域ではどんどん進んでいたのが印象的でした。災害時に限らず、何かしら困ったことに見舞われた際に、共助が一番助けになるかもしれないのです。
●人間関係が豊かになり幸せになる
良好な人間関係は幸せな人生の基盤となるのは有名ですが、それだけでなく人間関係に多様性があるほうがより幸せになるという面白いデータがあります。私もそうですが、社会人の人間関係は職場に偏りがちになるのではないでしょうか。趣味の仲間、地域の仲間など人間関係にも多様性があったほうがよいというのです。地域の住民同士の人間関係も、きっかけが必要ということもあります。自治会への積極的な参加は、人間関係の多様化につながります。
ちなみにこれはまさに私自身が実感していることでもあります。この地域に住んで10年ぐらいになりますが、地域の知り合いは限定的でした。最近は近所のいろんな方と話す機会が増えて、自分自身の人間関係が豊かになっていると感じています。
●社会的つながりがあるとより健康になる。
社会的なつながりが豊かになるとより幸せになるだけでなく、より健康にもなります。フレイル予防を推進されている飯島勝矢先生の話をたまたま1月の統合医療展で聞きましたが、非常に興味深い内容でした。フレイル予防の柱は「栄養」「身体活動」「社会参加」ですが、ある調査によると、一番効果が大きいのは「社会参加」だったそうです。
「社会参加」とは、就労、余暇活動、ボランティアなどで、自治会での活動は立派にこれに当てはまります。普段から人付き合いの多い現役世代はいいのかもしれませんが、人との交流の機会や時間が減っている世代もやはりいます。この研究が明らかにしているのは、社会的なつながりは健康には必須だということ。そして自治会への積極的な参加は、健康の促進につながるということです。
いかがだったでしょうか。なぜ共助が重要かの理由をいくつか述べてみました。このように考えると自治会や共助の大切さがより違った角度でみえてくるのではないでしょうか。
ということでぜひ自治会の集会や活動には、面倒臭がらずに積極的に携わるといいみたいですよ。ボランティアで周りの人のためにやっていると思っていても、実は本人にとってもメリットがたくさんあるのです。
次回はここからもう少し考えを進めて、どのようなアプローチで自治会に携わるとより楽しく、そしてより幸せなれるかということについて書いてみたいと思います。