9月7日から約10日間、北海道胆振東部地震の支援活動として北海道に行っておりました。防災士の視点を交えての支援報告の後半です。
【9月11日】
昨日のむかわ町での視察と活動をもとに今日からは地元の教会員を巻き込んでのボランティア活動に参加。とりあえず3名来てくれて計4名でむかわ町に到着。まだこの時点では公式にはボランティアは集めていない状況ですが、ボランティアセンター自体は開設していて、今後の準備をしていました。受付をすました後に、昨日に引き続き物資の仕分け作業。企業や市民から物資が次々に届きます。それらを開封して次々に仕分けしてきます。お昼には隣接する避難所で物資を配布するとのことで、配布する物資を避難所の入り口まで運搬。そして品目ごとに並べて、訪れる市民に配布。
むかわ町ではスーパーでの物資も少ないので、支援物資を取りにこられた市民の方々はありがたそうに必要な物資をもっていかれました。午後は引き続き物資の仕分け作業と、翌日の準備でテント張り。ボランティアセンターはもともと役場の3階にありますが、これからたくさん来るボランティアを受け入れるために駐車場にボランティアセンターを設置。これらの作業でこの日は終了。
(9/11:むかわ町役場にて)
【9月12日】
この日は7名でむかわ町の支援活動を実施。むかわ社協ではすでに市民からの作業依頼が100件程度集まっており、この日から試験的にボランティアを依頼先に送っての作業が始まりました。私達の7人のグループが割り当てられた家は、役場から歩いて数分の一軒屋。外見は傾いてもおらず問題はなさそうなおうち。そんな家ですが中に入ってびっくりした。家の中は家具が飛び交い、物が散乱し、食器が多数割れている状態だったのです。家主さん近くの避難所に避難をされており、まだ家の中の片付け作業はできていないとのこと。
このような現場で家主さんの指示に従って、壊れた食器や家具を家の外まで運び出す作業が始まりました。作業を始めた10時頃には、これは一日では片付かないだろうと心の中で思っていましたが、それでも作業を続けていると少しずつきれいになっていきます。作業終了指定時刻の午後3時までには、壊れた家具の運び出しが一通り終わり、また部屋の中の掃除もある程度できた状態になりました。7人もいるとこれだけ作業ができるんだなとマンパワーの威力を実感。依頼された家主さんも大変喜んでくださり、作業を終えてお別れする時にはとても仲良くなりました。災害はつらいですが、助け合いや人とのつながりの大切さを実感した一日となりました。
(9/12 作業させていただいたおうちの中)
【9月13日】
翌日の金曜日に教会の指導者を災害現場へお連れすることなったので、まだ実際に確認していない厚真町の災害現場を確認しに行きました。土砂崩れが多発している吉田地区は、町役場から少しだけ東の方向にあります。重機が出入りし、少しづつ道路の土砂を片付けている状況でした。土砂崩れの現場を何度も通過しましたが、崩れている土砂はさらさらでいかに崩れやすいかが見てよく分かりました。
厚真町の災害現場が確認できたところで、むかわ町に移動。この日は4人で朝からボランティアを行なっているグループに途中参加。今日の作業は炊き出ししているNPOの支援ということで、午後はたまねぎの皮むき作業。ひたすらたまねぎの皮をむいて、指先がいたくなりました。でも参加しているボランティアの人たちと一緒に楽しく作業ができました。
そしてこの日は、情報共有会議が初めて開かれるということで、苫小牧に移動し会議に参加。内閣府の防災担当の方も参加しておられ、有意義な情報共有の場となりました。
(9/13 情報共有会議の様子)
【9月14日】
この日は教会の指導者の現場視察の同行が主な業務でした。千歳市内のホテルまで向かえにいって、まずは厚真町の視察。次にむかわ町の視察。むかわ町の避難所では、2日前に
家の片付けをお手伝いした家主さんと再会することができました。この日はヘルピングハンズのボランティアは町役場から少し離れた家で、家の中の片付け作業をやっていて、その作業現場を視察。その後、札幌市内そして旭川に移動して、この日仕事は終了。
【9月15日】
早朝に宿泊先の旭川周辺からむかわ町に移動。この日は最初の週末ということもあり、多くのボランティアが来ていました。ヘルピングハンズからも17名のボランティアが参加。これだけのボランティアの数が集まって、ボランティアセンターでスムーズにマッチングができるか心配しましたが、マッチングもわりとスムーズにしてもらいました。小さなグループに分かれてそれぞれ指示のあった現場に移動。私が同行したグループは町役場の近くの家の家具の運び出し。3軒の家具の運び出しのお手伝いをさせてもらいました。
(9/15 むかわ町でのボランティア)
お昼でむかわ町の現場を離れて、苫小牧港に移動。そして来た時と同じように、フェリーに乗船して帰路につきました。さすがに今回の支援活動はノンストップで1週間動き続きけていたので、疲れがたまっていて、乗船してホッとした時に溜まっていた疲れも感じました。数十時間の船旅は長いのですが、一息ついて体とこころを休めるためにはちょうど良かったのかもしれません。
今回はフェリーで車で現地入りするという点が今までの支援活動と大きく違う点でした。また停電という不確定要素が強い中での現地入りで、どのような初動になるのかまったく読めないところがありました。結果的には、適切かつタイムリーなタイミングで現地に入ることができました。緊急物資を必要な方々に渡すこともできましたし、現場を自分の目で見てまわり、ボランティアのニーズが一番ありそうな場所を判断することができました。またむかわ町の方々と信頼関係を築き、すぐにヘルピングハンズのボランティアが参加できる流れが作れました。今年は大阪地震、7月豪雨と立て続けに支援活動に携わってきたので、不確定要素が多い中でも、そこでの経験値を活かし効果的な支援活動ができたと思います。
被災現場では常に防災士のバッジをぶらさげるようにしていますが、この防災士のバッジを見て安心してくださる方が多くいて、現地での支援活動がよりスムーズに行なえました。