今回は少しマジメなお話し。
「こんなにひどい仕組みだとは知らなかった。そして日本の抱える問題は根深いな」
というのが最近地方選挙の制度を勉強しての感想です。端的に言うと、「本来行われるべき活動が規制されていてできない」、そして「行われるべきでないことが税金を投入して行われている」ということです。
少し詳しく説明していきますね。選挙にはいわゆる事前の政治活動(告知前)と実際の選挙活動(告知後)に分けられますが、まず告知前の事前活動での活動を以下のマトリックスにまとめてみました。マトリックスは合法的(公職選挙法の範疇で)かどうかと、論理的(合理的)かどうかという軸で作ってみました。
基本的には、選挙前の個人の活動は全て禁止されています。選挙期間は一週間しかないのですから、新しく議員を目指す市民は、個人の活動が禁止されていてどうすればいいんでだ~、という状況です。本来は今度の選挙に出ますから応援お願いしますね、と事前に表明し、マニフェストなどを配布することが合理的なのではないでしょうか。まずこれが「本来行われるべき活動が規制されていてできない」状況です。
次に選挙期間のマトリックスをみてみましょう。先ほどと同じ、合法的と論理的という2軸で作っています。
「本来行われるべき活動が規制されていてできない」こととして、個別訪問があります。選挙期間は候補者が家などをまわって、「よろしくお願いしますね~」とあいさつをしてまわることができません。これができないなんて、なんか不自然ですよね。
そして「行われるべきでないことが税金を投入して行われている」ことの例として、けたたましく叫びまくる街宣カー。とても市民が望んでいるとは思えません。むしろ多くの市民が迷惑かつ不快に感じていることなのではないでしょうか。しかも街宣カーには税金が投入されています。一人の候補当たり20万~40万程度です。
また掲示板へのポスター掲示というのもロジカルさにかける選挙方法です。候補者のポスターが貼ってあってもあまりプラスの効果はないけど、貼ってなければマイナスの効果があるという代物です。これにもやはり税金が投入されており、一人当たり50万円。しかも候補者は自力で、つくば市のケースだと460箇所の掲示板にポスターを貼らなくていけません。なんという多大な労力がこの掲示板には費やされているのでしょう。
以上いろいろを書きましたが、現行の選挙制度の弊害を以下のようにまとめてみました。
●不効率・不合理な選挙による過度な税金の支出(例:街宣カー、選挙掲示板)
●選挙前、選挙期間ともにやっていいこと、いけないことのグレーゾーンがあり、選挙のノウハウのない個人は圧倒的に不利なこと。
●非論理的な仕組みを変えようとするのではなく、不合理な現状を容認してしまい変な裏技をうみだすことばかりに労力が使われていること
さて、かなり現行制度に批判的な内容になってしまいましたが、それでも選挙は、街をよりよくするプロセスだと思います。来月のつくば市の選挙では、多くの市民が関心をもって参加し、つくばがより素晴らしくなる転機になることを願っています。